ポイント
- 日本初!産官による商用ローカル5Gシステム導入が決定(プロバスケットボールチームのメインアリーナ向け)
- 課題:通信集中による各種サービスの品質低下・地域としてのスポーツ産業振興
- 解決策:ローカル5Gによる通信環境改善と電子サービス拡充(電子決済やモバイルオーダー等)
導入効果
- 通信環境の改善を行い、電子決済、モバイルオーダー及びモバイルチケッティングが滞りなく使用できる環境構築を実施。続いて、大型ビジョン(映像伝送)、LED照明コントロールおよびゲームクロックの無線化を実施。
- 県内唯一の通信環境が整備されたアリーナで各種サービスを体感することで、来場者の満足度が高まり、リピーターを含めた観戦者の増加、広域的な交流人口拡大、地域の活性化を実現。
導入されたお客様のご紹介
- 納入先
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株式会社NAGANO SPIRIT(信州ブレイブウォリアーズ)
- 所在地
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長野県長野市問御所町1271番地3 TOiGO WEST 1階
- 事業内容
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プロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」の興行運営、バスケットボールのクリニック活動、スクール活動、その他イベント企画・運営
はじめに
国内初、産官による商用ローカル5Gシステムを男子B1リーグ所属のプロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」※1のホームアリーナへ導入を決定しました。
JRCは、長野市、信州ブレイブウォリアーズ※1を運営する株式会社NAGANO SPIRIT(本社:長野県長野市、代表取締役社長 木戸康行)、エクシオグループ株式会社(本社;東京都渋谷区、代表取締役社長:舩橋哲也)との4者コンソーシアムにおいて、総務省の地域デジタル基盤活用推進事業(補助事業※2)を活用し、長野市真島総合スポーツアリーナ(以下ホワイトリング)に日本初の産官による商用ローカル5Gシステムを導入します。
※1 信州ブレイブウォリアーズ:男子B1リーグ所属のプロバスケットボールチーム。ホームタウンは長野県長野市ならびに千曲市。
※2 補助事業:ローカル5GやWi-Fi、LPWAをはじめとする通信インフラを整備するとともに、デジタル活用によって地域課題の解決を図る取り組み。
地域デジタル基盤活用推進事業の概要(総務省HPから引用)
導入前の課題
信州ブレイブウォリアーズのホームアリーナであるホワイトリングでは、ゲ―ム開催時の電子チケットなど、モバイル環境下でのサービスで、回線が繋がりにくいなど、顧客サービスの品質低下が課題となっており、通信アクセスが集中することによる電波の混雑(輻輳)が原因でした。また、長野市はスポーツの成長産業化による地域の活性化推進が課題となっていました。
導入概要
4者コンソーシアムは、これらの課題を解決するため、ローカル5Gを導入し、ホワイトリングの通信環境を改善することで、令和5年度には電子決済、モバイルオーダー及びモバイルチケッティングが滞りなく使用できる環境構築を実施し、令和7年度までには、大型ビジョン(映像伝送)、LED照明及びゲームクロックの無線化を実施など、各種サービスを体感することで、来場者の利便性や満足度が高まり、リピーターを含めた観戦者の増加、広域的な交流人口拡大、地域活性化を目指しています。
お客様の声
株式会社NAGANO SPIRIT/信州ブレイブウォリアーズ様
長野市様と連携し、地域の活性化推進の一環として、当社が主体となり「スポーツ施設高機能化に伴うローカル5G整備事業」を立ち上げました。日本無線は、長野市内にローカル5Gの開発拠点がある唯一のサプライヤーで、地域課題の解決に向けた開発をしている企業であり、本事業のコンソーシアムメンバーとして迎えました。
日本無線のローカル5Gは、長野市の冬季気温を考慮した屋外仕様や、今後の拡張性、システム再構築、など本事業の要求仕様を満足する唯一のサプライヤーとして採用しました。課題となっている通信環境を向上し、来場者の満足度を高め、バスケットボールの魅力を伝えるとともに、あたらしいユーザー体験の創出を図り、地域の活性化を進めることを期待しています。
JRCが選ばれた理由
なぜ今なのか?
敷地内や建物内でスポット的に利用できるローカル5Gの特徴は、「超高速」「超低遅延」「同時多数接続」です。デジタル化が進みお客様のニーズが多様化する現在、無線による利便性を生かしながら、高精細な映像伝送をするには超高速性能が、工場の無人搬送車などの遠隔機器制御には超低速遅延が求められます。多くの機器から情報を収集するIoT用途では、同時多数接続が不可欠です。このように5Gのメリットが効果的に現れる情報システムの構築が求められる今だからこそ、ローカル5Gが役立つと考えらます。
また、現在は信頼性の高い通信がますます求められていますが、ローカル5Gでは外部ネットワークを通らないために、セキュリティ上のリスクも抑えられます。これ以外にも5Gサービスでは、周囲の多くの通信が発生したり、インフラにトラブルが起きたりしたときに安定した通信ができなくなりますが、専用ネットワークのローカル5Gを構築すれば、ミッションクリティカルな通信を無線で実現しやすくなるのです。
なぜJRCなのか?
ローカル5Gは、無線システムとネットワークの融合した複雑なシステムで、事前に設置場所に合わせたパラメータ設定、総合的な動作検証を実施します。現地調整作業では、システム動作確認、電界強度測定、端末からのインターネット接続確認を行います。また、無線局免許申請の作業は、免許申請に必要な電波伝搬シミュレーションを含め、アンテナを含む機材一式を納入するサプライヤーが行うことが最も効率良く、短期間に実施できると考えられます。
JRCは無線通信・ネットワークのスペシャリストとして、製品・システムの供給のみならず、これらのサービスを一気通貫で提供できる、カスタマーオリエンテッドな数少ないサプライヤーです。また、メーカーとして日本で最初に電気通信番号を取得し、SIM発行が出来る通信事業者の免許を取得しているところも強みとなっています。
なぜ、ローカル5Gなのか?
ローカル5Gは、全国的にサービスを提供する携帯事業者とは異なり、建物内や敷地内での利活⽤について個別に免許交付される5Gシステムです。地域や産業の個別のニーズに応じて、個別最適化・カスタマイズしたネットワークをスポット的に柔軟に構築できます。
使⽤⽤途に応じて必要となる性能を柔軟に設定する例としては、次のようなことが挙げられます。
例. 上り回線(端末⇒基地局)と下り回線(基地局⇒端末)の太さ(映像・情報伝送方向に関する強さの調整)
また、他の場所の通信障害や災害などの影響を受けにくく、Wi-Fiと⽐較して無線局免許に基づく安定的な利⽤が可能で、移動で途切れにくく、高セキュリティなネットワーク構築が可能です。
参考: 信州ブレイブウォリアーズの“今後の展望”
- セルフレジ、無人レジ、キャッシュレス決済端末、運搬用AIロボット等の導入により、来場者の更なる利便性を図る。
- バスケ興行に最先端技術(4K8Kリアルタイム高速映像配信、ドローン、360度カメラ、メタバース、デジタルサイネージ等)を導入し、高精細・高臨場感の映像コンテンツ伝送を実現し、ライブ中継、遠隔応援、パブリックビューリング、映像解析等、新たな付加価値を提供していく。
- 企業展示会(IT、機械、アパレル、フード等)、eスポーツ、就職フェア、ベンチャー企業ピッチコンテスト等、ローカル5Gの特長をフルに活かし、多機能かつ多目的用途へホワイトリングの活用範囲を拡充する。