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2014年12月9日[2014年12月9日 プレスリリース]

MIMO方式を採用した電波環境適応レーダーを開発

日本無線株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:土田隆平)は、MIMO方式※1を世界で初めて船舶用に採用し、耐干渉性に優れた電波環境適応レーダーを開発しました。本開発の成果は、2014年12月12日に開催される「電波資源拡大のための研究開発」第7回成果発表会にて発表いたします。

画像:電波環境適応レーダー(機能確認用試作)

電波環境適応レーダー(機能確認用試作)

電波環境適応レーダーは、船舶用レーダーの固体素子化の進展に伴う干渉増加対策として、船舶周辺の電波環境を認識し、認識した環境に対して適応的にレーダー動作を行うことが可能な新たな概念のレーダーです。

船舶用のレーダーは、国際海事機関(IMO)の搭載要件により一定以上の規模の船舶には搭載が義務付けられ、船舶の海上航行の安全を確保するため、従来から重要な役割を担っています。船舶用レーダーの送信部には、従来からマグネトロン等の電子管が用いられてきましたが、近年、長寿命化と周波数利用効率向上の観点から電子管に代わり、固体素子への移行が進められています。一方、固体素子レーダーは送信電力が小さいため同等の探知距離を確保するには電子管の100倍程度の送信時間を要し、その結果、周辺レーダーに与える干渉が増加するという問題があるため、その対策として優れた干渉除去技術が必要になります。

本研究開発では、干渉の受信を抑圧するため、MIMO方式の電子走査アンテナ技術と、周囲の電波環境の認識およびこれに適した信号処理方式選択のための、データベースを用いた電波環境適応技術を開発しました。開発した技術により、時間、周波数、空間における各種干渉除去処理を電波環境に応じて自動的に組み替え、送信タイミング設定、干渉除去フィルタの設定など、数十個のパラメータの最適化をも自動化することを可能にしました。さらに空間処理(アンテナの指向性制御)において、MIMO方式を採用することで、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の配置の工夫によって、一般的な電子走査アンテナと同等のビーム幅を素子数を大幅に削減したアンテナで実現可能となり、実用化に大きく貢献します。

以上の効果として、干渉除去のための複雑なレーダー操作を不要にするとともに、既存の処理に対して大幅に干渉除去性能を改善することができました。また、本技術を実装したレーダーは、干渉除去処理だけでなく、船舶レーダーとして必要な、最大探知距離、分解能などの基本性能でも既存レーダーと同等以上の性能を達成することを実証実験により確認しました。

画像:電波環境適応の効果

電波環境適応の効果

本研究開発は、総務省の「電波資源拡大のための研究開発」の委託を受けて行ったものであり、その成果は、2014年12月12日に開催される「電波資源拡大のための研究開発」第7回成果発表会にて発表いたします。

総務省ホームページ:

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000145.html

  1. MIMO 方式のレーダー: Multiple Input Multiple Output Radar. 電子走査アンテナを用いたレーダーの一種。送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の配置の工夫によって、一般的な電子走査アンテナと同等のビーム幅を大幅に素子数を削減したアンテナで実現できることを特長とするレーダー。

お問い合わせ先

(報道機関)

日本無線株式会社
経営企画部 広報担当
Tel: 03-6832-0455

(その他)

日本無線株式会社研究所
pr@jrc.co.jp

  1. 内容はリリース時現在のものです