ECDIS 電子海図情報表示装置 JAN-9201/7201
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最新プロセッサを採用し、高速なチャート描画でスムーズな操作環境を提供
- 最新のIMO性能基準に適合し、MED型式認証を取得
- ユーザーの声を反映させた直感的で使い易い表示・操作を実現
- 航路編集と航路の安全チェックを統合し、より安全な航路計画をサポート
- 運用に合わせた拡張が可能なソフトウェアライセンスで各種オプション機能を提供
- 世界各地の様々な機関で機器別習熟トレーニング(TST)を実施
特長
ECDISとは
電子海図表示情報システム(ECDIS/Electronic Chart Display and Information System)は、航海計画と航路監視において、船舶の安全航行を支援するための航海情報装置となります。
本装置は、AISやレーダー、海上衝突予防装置(TT)の映像と海図情報との重畳によって、他船の動的情報を的確に表示することができます。また、危険水域に接近した場合には事前にアラームを作動させるなど、安全航行の中心的役割を果たすと共に、海難防止にも有用な装置として船舶の安全運航には欠かせない装置となります。
ECDISの搭載義務化
国際SOLAS条約の改訂によりIMOは、国際航海に従事する500トン以上の旅客船、及び3,000トン以上のタンカー、貨物船に対して、2012年7月より段階的にECDISの搭載を義務化しました。また、1台目のECDISを航海用の主装置とする場合、バックアップとして従来の紙海図もしくは2台目のECDISの装備が要求されます。(装備要件および操作資格については船舶の所属する旗国、船級での確認が必要です)
船種 | 総トン数 | 新造船 | 既存船 |
---|---|---|---|
客船 | 500 | 2012年 7月 | 2014年 7月 |
タンカー | 3,000 | 2012年 7月 | 2015年 7月 |
貨物船 | 3,000 | 2014年 7月 | - |
10,000 | 2013年 7月 | 2018年 7月 | |
20,000 | 2013年 7月 | 2017年 7月 | |
50,000 | 2013年 7月 | 2016年 7月 |
諸規則と主要諸元
本装置は、2004年12月に採択された航海情報表示関連(IMO決議MSC.191(79))、及び2006年12月に採択されたECDIS性能基準(IMO決議MSC.232(82))に適合しています。
その他の主要諸元は、下記のとおりです。
- 電子海図表示機能/レーダー重畳機能 :IEC 61174準拠
- 航海情報表示関連機能 :IEC 62288準拠
- Track Control System(TCS)機能*1:IEC 62065準拠
*1:対応するオートパイロット機種については別途お問い合わせください。
洗練されたユーザーインターフェース
JAN-9201/7201ではアイコン表示を基本とする「直感的に、より使い易い」シンプルなメニュー体系の新しいユーザーインターフェース(jGUI)を採用しています。重要なデータは画面上の決まった位置に常に表示され、メニュー表示には対応機能が一目でわかるアイコンを採用しています。また表示されているTTやAISのシンボルはカーソルを合わせるだけで対象の主要データをポップアップで表示します。
操作部も使い易く新設計
機器の操作も新設計のトラックボールで全てに対応できます。またアラーム発生時など、特に注意が必要な状況では操作部からの警告音や色の変化でユーザーにお知らせします。
従来機と同様の専用機能ボタンや操作ノブ
従来機と同様の専用機能ボタンや操作ノブを備え、更にオプションのフルキーボード付き操作部を接続すれば、これまでのECDISと同様に操作することができます。
航路編集・安全チェックを簡単に
新型ECDISでは、これまでグラフィック入力と数値入力の2つに分かれていた航路編集を一つに統合しました。チャート上で指定した変針点はすぐに数値化されて編集テーブルに追加され、数値データとして編集テーブルに入力された変針点はすぐにチャート上に反映されます。航路は4つまで同時に編集が可能で、各航路から切り出した一部分を相互に組み合わせたり、航路の一部/全部を入れ替えたりする編集操作にも対応します。
また、編集した航路データはボタン一つで安全チェックが実施できます。検出されたエラー情報はリスト表示され、該当する航路部分がチャート上・テーブル上で強調表示されるので、一目で確認でき、対応することができます。
機能
運用に合わせた機能拡張
ソフトウェアライセンスの追加で使用可能となるオプション機能が各種搭載されています。ソフトウェアライセンスは船上でのECDIS運用開始後でも追加することができるので、実際の運用状況に合わせたカスタマイズが可能です。
オプション機能
- AIS表示ターゲット数拡張(500 → 1000)
- レーダーオーバーレイ機能*1
- TCS対応*2
- S-Joy操作対応*3
*1:レーダーオーバーレイ機能にはオプションのレーダーインターフェース回路とレーダー映像の信号入力が必要です。
*2:TCS機能には別途オートパイロットとの接続が必要となります。対応機種等は当社までお問い合わせください。
*3:S-Joy操作部の接続可能なオートパイロットは別途お問い合わせください。
主要なチャート表示に対応
JAN-9201/7201はAVCSやNAVTOR ENC service、C-MAP ADMIRALTY ENC serviceなどの主要なENC(S-57 Ed3.0/3.1,S-63:ベクターチャート)、ARCS(ラスターチャート)表示、またチャートに合わせて提供されているAIO(UKHO)やダイナミックライセンス(C-MAP)などの拡張機能に対応しています。
ENC(S-57,S-63:ベクターチャート)
- AVCS(AIO対応)
- NAVTOR ENC Service(PAYS対応)
- C-MAP ADMIRALTY ENC Service*4
( ダイナミックライセンス対応)
ラスターチャート
- ARCS
- その他(プライベートチャート)
C-MAP Professional+*4
*4:eTokenはオプションになります。
衛星通信ブロッキング表示例
衛星通信ブロッキング表示機能*5
当社製インマルサットFBBおよび、インマルサットGX*6が航路上で衛星と通信できない海域を確認する機能を搭載しています。衛星アンテナのアンテナ受信レベル、ブロッキング発生状態や送信停止状態*7を表示することができます。衛星との通信が不通となった場合、一時的な不通なのか、故障による不通なのかを確認できます。また、航路計画時、作成中の航路上で、衛星との通信ができない海域を事前に確認でき、連絡不通を避けることができます。
*5:衛星通信ブロッキング表示機能はオプションになります。別途お問い合わせください。
*6:JUE-251/501、JUE-60GXが対応。
*7:送信停止状態はJUE-60GXのみ対応。
ECDISによるVHFリモート操作
ECDISにVHFリモート操作機能を搭載しています*8。VHF本体のチャネル設定や、ECDIS画面上のAISターゲットによるDSC呼出しをすることができます。ワイヤレススピーカーマイク*9などによりVHF本体から離れた場所で相手船との通話を実現しています。
*8:JHS-800Sが対応。
*9:ワイヤレススピーカマイクはJHS-800Sのオプションになります。
外部センサー機器とのインターフェース共有
中央制御部にはMEDで要求される最低限の外部インターフェースのみを備え、それ以外のセンサーデータはインターフェース回路からブリッジネットワーク(LAN)経由で受信します。インターフェース回路は複数台の新型航法機器で共有できる設計になっており、必要となる各種インターフェース回路は信号形式、接続数に合わせて組み合わせが選択できます。
インターフェース回路
- S:SLC(シリアルLAN インターフェース回路):IEC 61162-2 x2、IEC 61162-1 x8、接点入力 x4、接点出力 x8
- A:AOC(アナログオプション回路)*10:DC-10- +10V または4-20 mV x4
- G:GIF(ジャイロインターフェース回路):ジャイロ信号(Sync、Step)、船速パルス信号(100-800 pp)
- R:RIF(レーダーインターフェース回路):インタースイッチ接続 x1、スレーブ映像入力 x1
*10:AOC の装備にはSLC が必要です。
様々な機種別習熟トレーニング(TST)を実施
新型ECDISではこれまでの当社ECDIS機器とは異なり、新しい操作体系を採用しているため、機種別習熟トレーニングもこれに対応するものが必要となります。新型ECDISに対応する機器別習熟トレーニングは当社の主要な支店・代理店をはじめ、世界各地のトレーニング機関でも実施しています。また、お客様のリクエストによる船上・オフィスへの講師派遣によるトレーニングの実施にも対応します。さらに、個人のペースに合わせて自宅や船上でも自己学習が可能なPC用のソフトウェアをご用意しています。機器別習熟トレーニングに関する詳細は当社までお問い合わせください。
機器系統図
標準構成品
- 中央制御部
- 電源部
- 表示部
- トラックボール操作部
主要オプション機器
- キーボード操作部
- センサーLANスイッチ
- 接続箱
- シリアルLANインターフェース回路
- アナログオプション回路
- ジャイロインターフェース回路
- レーダーインターフェース回路
- 中継端子台
- 自立架台
- インタースイッチ(4 ch/8 ch)
- eToken*12
*12:C-MAP ADMIRALTY ENC Service、C-MAP Professional+の場合。
外形寸法図
19インチ表示部および卓上架台
NWZ-214 質量:4.6 kg
CWB-1594*1 質量:3.6 kg
26インチ表示部および卓上架台
NWZ-208 質量:16 kg
CWB-1595*1 質量:5.5 kg
中央制御部
NDC-1590 質量:5.6 kg
電源部
NBD-913 質量:4.2 kg
トラックボール操作部
NCE-5605 質量:1.3 kg
キーボード操作部
NCE-5625*1 質量:0.8 kg
接続箱
NQE-1143*1 質量:3.8 kg
19インチ用自立架台および26インチ用自立架台
CWA-245*1 質量:55 kg
CWA-246*1 質量:65 kg
*1:オプション。
仕様
機種 | 26インチタイプ | JAN-9201 |
---|---|---|
19インチタイプ | JAN-7201 | |
IMO準拠 | ✓ | |
ハードウェア機能 | ||
表示部 | JAN-9201:26 インチ WUXGA カラー LCD、1920 x 1200 ピクセル、タッチパネル(オプション) JAN-7201:19 インチ SXGA カラー LCD、1280 x 1024 ピクセル、タッチパネル(オプション) |
|
中央制御部 | Intel Core i5 2515E 2.5 GHz 2 GB メインメモリ SSD x2 DVD ドライブ x1 |
|
電源 | DC24 V、AC100 ~ 115 V または AC220 ~ 240 V、50/60 Hz、1 相 | |
消費電力 | 定格 JAN-9201:最大 240 VA、 JAN-7201:最大 200 VA | |
チャート表示機能 | ||
チャートデータベース | ENC:S-57 Ed3.0/3.1、S-63 AVCS(AIO 対応)、NAVTOR ENC Service、Jeppesen ENC Service ラスターチャート: ARCS パーソナルチャート:Jeppesen Ed.3 Professional/Professional+ |
|
運動モード | TM(真運動)表示 /RM(相対運動)表示 | |
方位表示モード | 真運動モード: North UP/Course UP/Head UP/Waypoint UP 相対運動モード: North UP/Course UP/Head UP/Waypoint UP |
|
スケール | 1:1,000 ~ 1:20,000,000(WUXGA)/ 1:40,000,000(SXGA)/ 1:30,000,000(FHD) | |
レンジ | 0.125、0.25、0.5、0.75、1.5、3、6、12、24、48、96 NM | |
マルチ画面表示 | 上下分割 / 左右分割 / ピクチャインピクチャ | |
航路計画機能 | ||
航路作成 | テーブル編集 / グラフィック編集 | |
航路編集 | Waypoint の追加 / 削除 / 編集 代替航路作成 航路コピー 航路間結合 インポート / エクスポート(CSV 形式) |
|
安全チェック | あり | |
航路表示数 | 最大4種 | |
航行監視機能 | ||
自船 | 位置、航跡、走錨監視 | |
航路監視 | 水深、障害物、禁止区域接近、航路離脱、Waypoint、到着時刻 | |
他船監視 | TT 表示:最大 200 ターゲット(レーダー 1 台につき 100 ターゲット、最大 2 台のレーダーに対応) AIS 表示:最大 500 ターゲット(オプションで最大 1000 ターゲットに拡張) |
|
ユーザーマップ | ||
表示点数 | 100,000 点(マーク、ライン) | |
インポート / エクスポート | USB メモリにて可能 | |
その他の機能 | ||
データ表示機能 | コニングデータ ブロック表示 | |
自己診断機能 | 標準 | |
リモートメンテナンス機能 | 標準 | |
プレイバック | 航行データ(最大 3 ヶ月) 航海日誌記録(最大 3 ヶ月) |
|
レーダーオーバーレイ | オプション(ソフトウェアライセンス) | |
TCS | オプション | |
S-Joy 操作対応 | オプション |
ECDIS製品のソフトウェアバージョンと認証取得状況
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