気象レーダシステム マルチパラメータ気象レーダ

  • 気象レーダー

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画像:マルチパラメータ気象レーダ 防災科学技術研究所 提供

マルチパラメータ気象レーダは、クライストロンを採用したドップラレーダに、水平・垂直偏波同時送受信タイプの二偏波観測機能を併せ持ちます。同時送受信された水平・垂直二偏波の位相差を用いて降雨の強さを算出することができます。途中降雨減衰の影響をほとんど受けず、高精度の観測が可能です。また、雨滴の偏平度から、雨滴、ひょう、あられの推測ができます。土砂災害危険域、都市の浸水被害の効果的な予測が可能となります。

2007年度 防災科学技術研究所に納入しました。

特長

  • 直径2.2mのパラボラアンテナを使用し、360°全方位、および-2°から+182°の仰角範囲を高精度に走査し、半径約80kmの降雨雪データを3次元的に収集します。
  • 水平・垂直偏波を同時に送受信するための二偏波機能を持っています。
  • 送信管にはXバンドクライストロンを使用し、安定した送信電力を供給しています。
  • データ収録用コンピュータにて観測スケジュールをプログラミングできます。この機能により、空中線走査をはじめとするレーダ動作制御および観測データ収録を自動的に行うことができます。
  • 降雨雪粒子のドップラ速度を実時間で処理できるパルスペア方式およびFFT方式をドップラ速度処理系に採用しています。
  • 降雨雪粒子のドップラ速度の検出幅を拡大するため、スタガPRF方式によるドップラ速度折返し補正機能を標準装備しています。
  • 空中線装置を除く全装置をキュービクル(またはシェルタ)に収納し、トラック輸送を可能としています。また各装置は、耐震性、耐久性について十分考慮された構造となっています。

仕様

空中線直径 約2.2m
偏波 水平偏波および垂直偏波
ビーム幅 3dB 電力低下点 1.3°以下(パラボラ面レドーム付き)
周波数 9GHz帯
送信出力 50kW
送信パルス幅 0.5μs/1.0μs/2.0μs(切替)
パルス繰返し周波数 最大1800pps
最小受信感度 -110dBm 以下
出力データ T、Z、V、W、ZDR、ΦDP、KDP、ρHV

システム構成例

システム構成例:マルチパラメータ気象レーダ