船舶航行安全システム 導入事例

導入されたお客様のご紹介

運輸省 海運総局

インドネシア共和国マラッカ海峡及びシンガポール海峡船舶航行安全システム

納入先

インドネシア共和国
運輸省 海運総局(Directorate General of Sea Transportation:DGST)
インドネシア共和国

導入前の課題

インドネシア国マラッカ海峡及びシンガポール海峡船舶航行安全システム整備プロジェクト

背景

マレーシア、インドネシア及びシンガポールの3国と海域を共有するマラッカ・シンガポール海峡は、その長さが250海里に達する、重要な国際的且つアジア諸国間の結節点として、戦略的に重要な海上交通の要衝となっております。 同海峡は、今日のグローバル経済の影響を受け、日本船籍14,000隻の貨物船を含む年間90,000隻以上もの船舶が通過する重要な国際航路となり、その結果、同海峡における交通安全の確保の必要性が幅広く認識されるようになってきております。

また、マラッカ・シンガポール海峡における船舶の航行安全が、マレーシア、インドネシア、シンガポールの経済発展に大きく寄与することとなったと言っても過言ではなく、特に海上貿易に大きく依存する沿岸諸国の経済成長を大きく左右する重要な要因となっております。更に、東アジアにおける中東からの原油の輸入のほとんどがマラッカ・シンガポール海峡を通過する船舶によってもたらされるため、同海峡において、円滑かつ安全な海上交通が常に維持されることは、全世界の利益にかなうことを意味しています。

また、同海峡における海上事故による環境汚染を未然に防ぐことも重要であることから、このような交通が輻輳する国際航路においては、海洋汚染を防ぐための適切な手段を講じることにより、海上交通を安全、且つ確実に管理することが必要となります。

課題

マラッカ・シンガポール海峡における船舶の増加が、船舶の安全及び海域の環境状況に対し、深刻な影響を与える懸念が高まってきており、インドネシア国としてこれら諸問題についてに緊急に取り組まなければならない状況となっていました。 海上輸送量の増加に伴い発生する、事故、環境汚染は、船舶同士の衝突、接触、爆発、火災等、に起因して発生していることから、人命の損失、環境破壊、同海峡を生活の糧とする住民へ経済損失をもたらす深刻な結果となっています。

海上における船舶の航行安全の向上や海洋環境の保全を目的とした、最新の技術及び管理システムの必要性を背景として、インドネシア国では、船舶航行管理システム(VTS)の導入が喫緊の課題となっておりました。

しかしながら、インドネシア国では、これまで、海上交通が輻輳する港湾のアプローチ航路、有害危険貨物を運搬する船舶の動向、及び狭隘航路における船舶の運行等、を安全に管理する最適な海域監視システムが稼働していない状況となっていました。

第一期 導入エリア

第ニ期 導入エリア

導入のポイントと解決方法

レーダーセンサーを活用した海上交通監視システムの導入

インドネシア政府の要請に応え、日本政府は本プロジェクトを日本の無償資金協力で実施することを決定いたしました。 日本無線は、当該プロジェクトを受注し、GPS機能付きレーダーシステム、レーダー捕捉システム、多機能コンソール、VHF無線機、マイクロ伝送装置、AIS,CCTVカメラ、VTSデータシステム、ウェブサーバー、記録再生システム、気象センサー、等からなる統合システムを納入いたしました。 本プロジェクトは、2017年の6月に無事完工し、インドネシア政府への引渡しを完了いたしました。

第一期 導入設備

バツ アンパール VTSオペレーションルーム

バツ アンパール VTSオペレーションルーム

バツ アンパール VTSセンター

バツ アンパール VTSセンター

レーダーシステム

レーダーシステム

第二期 導入設備

ドマイ VTS サブセンター

ドマイ VTS サブセンター

タンジュン メダン レーダー局

タンジュン メダン レーダー局

サブセンター内機器室

サブセンター内機器室

導入後の効果

船舶航行管理システムの導入により致命的な事故を回避

船舶航行管理システムの導入により致命的な事故に発展しかねない重篤な事象が回避され、マラッカ・シンガポール海峡における円滑、安全な通行が確保されます。また、オイルタンカー等の船舶を正確に且つ継続的に監視することにより、同海峡のような輻輳する国際航路の海洋環境に対し、壊滅的な汚染を引き起こしかねない海難事故を低減することが可能となります。

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