ドローンシミュレーターSKY COACH X 導入事例

導入されたお客様のご紹介

人文・社会・経済から地球環境・データサイエンスまで、実社会につながる学びを提供する総合大学
納入先

学校法人 立正大学学園 立正大学熊谷キャンパス

所在地

埼玉県熊谷市

理念

・真実を求め、誠実に学ぶこと
・正義を重んじ、社会的課題に向き合うこと
・人類と社会の調和・平和に寄与すること

はじめに

rissho_07-3
ドローンシミュレータ― SKY COACH X

はじめに

JRC日本無線のドローンシミュレーター「SKY COACH X(スカイコーチ・エックス)」が、立正大学 熊谷キャンパスに導入されました。今回、実際に運用いただいている教育現場を訪れ、導入の経緯・課題解決などのお話を伺いました。

rissho_01

立正大学 熊谷キャンパス

教育現場へのドローン導入

ドローンで広がるデータサイエンス教育の可能性

立正大学データサイエンス学部では、学部創設時からドローンをデータ取得の重要な手段と位置づけ、画像やセンサーデータを活用した実践的な教育体制づくりを進めてきました。とりわけ測量や環境・動物調査といった分野では、ドローンによる安全かつ効率的なデータ収集が求められており、その前提となる操縦スキルの修得は不可欠です。こうした産業・公共分野での活用を見据え、同学部では在学中から体系的にドローンに触れられる環境整備を進めています。

導入前の課題

1.初学者の学生が安全かつ気軽に“ドローンに触ってみる”場の不足

ほとんどの学生が授業で「初めてドローンを触る」状態のため、いきなり実機を飛ばすことに強いプレッシャーや不安を感じていました。「自分に本当に操縦できるのか」「スキルもないのに壊してしまわないか」といった不安から、ドローンに触れる機会自体を十分に用意できていませんでした。

2.屋内ドローン実習が体育館の稼働率を圧迫

シミュレーター導入前は実機のみで実習していたため、年間で約30日(授業では20日)もアリーナ(体育館)を使用する必要がありました。365日のうち30日ということは、休業日を除けば「週1回はドローン実習で埋まる」ペースとなり、もともと授業や各学生団体、学外利用などで稼働率が高いアリーナの運用を大きく圧迫していました。

新しい教育プログラムでドローンを利活用する人材は育成できる一方、既存の活動を制限してしまう状況になっており、これらを解決するために、「安全な体験機会の提供」と「アリーナ利用日数の削減」が両立できる手段として、シミュレーター導入を検討しました。

rissho_03

授業の様子

導入ポイント

■ 開発者自ら国家資格を取ってシミュレーターを作り込んでいる

”SKY COACH X” の開発者自ら国家資格を取り、実機とシミュレーターの両方を飛ばして調整しているのが解る設計で、必要な設定値が揃っている。

■ 多様な環境パラメータを細かく設定できる

風向・風速、ランダムな風の強さ、太陽光の強さや角度など、「こんなことができたらいいな」という項目のほとんどが設定可能。

■ 実機に近い挙動で、違和感が少ない

  • 類似製品は制約が多く、現実とのギャップが大きくなる懸念があったが、”SKY COACH X”は現実の飛行環境に近い条件が再現しやすい。
  • 実機からシミュレーターへの移行もスムーズだった。

導入後の効果

1.初心者学生が実機をいきなり飛ばすプレッシャーからの解放

初学者にとって実機による練習は、物理的な破損が発生する可能性があり、ほとんどの学生が操縦に強いプレッシャーを感じていました。しかし、ドローンシミュレーターであれば、機体を壊す心配がなく、安全な環境で何度でも試すことができます。
シミュレーターで飛行が難しい強風の環境を経験することで、 実機の練習時に「思ったより安定していて安心」という心理的効果が生まれ、「これなら大丈夫そうだ」と感じる学生が増えました。

2.アリーナ(体育館)利用による他活動との日程調整負荷の軽減

これまでは、実機実習によって年間(365日)のうち30日間もアリーナを占有する必要があり、「新しい人材育成は進む一方で、既存の競技活動などに制約が生じる」というジレンマを抱えていました。しかし、“SKY COACH X”を導入し、実技訓練の一部をシミュレーターに置き換えたことで、アリーナでの実機訓練の時間短縮ができました。
その結果、授業でアリーナを利用する日数が20日から10日へと半減できる見込みが立ち、導入費用に見合う施設利用の効率化につながりました。

お客様の声

SKY COACH Xを実際に授業で活用されている立正大学 データサイエンス学部 松尾准教授、地球環境科学部 青木准教授、データサイエンス学部 宍戸助手の皆さまにお話を伺いました。 

rissho_02

右から 松尾准教授 青木准教授  宍戸助手 

データサイエンス学部 准教授 松尾忠直様

rissho_04

データサイエンス学部 准教授 松尾忠直様

博士(地理学)
データサイエンス学部 データサイエンス学科 准教授
立正大学 研究推進・社会貢献センター 副センター長
立正大学ドローンアカデミー(管理者・修了審査員)

未経験者でも安心してドローンに触れる入口ができたことは大きい。

Q:ドローン教育を始めたきっかけは何ですか。
A:データサイエンス学部の立ち上げ時から、「ドローンで撮った画像やセンサーデータを教材にして、データサイエンスの教育に生かしたい」という構想があったんです。タイミング良くドローンの国家資格「無人航空機操縦士」の制度がスタートし、そこから国家資格の取得も強く推奨するようになりました。卒業後の進路としてドローン関連企業だけでなく、ドローンを活用する機会が増えている消防や警察などの進路を志望する学生にとっても大きな武器になると考えています。対象は2〜4年生で、国家資格を取得したうえで、卒業研究で実際にドローンを使う流れもできてきました。

Q:授業はどんな構成になっているのでしょうか。
A:オンラインの「ドローン講義」と、2日間の「ドローン実習」の2本立てです。講義では法令や安全運航に加えて、教科書にない「現場で本当に危ないポイント」も話します。さらにeラーニングも組み合わせて学科10時間分を確保し、そのうえで実習に来てもらいます。実習は1日目がスカイコーチXによるシミュレーター、2日目が実機による屋内の練習と審査という流れですね。

Q:シミュレーター導入前はどんな課題があったのでしょう。
A:多くの学生にとってドローンは「人生で初めて触る機械」なので、いきなり実機は怖いんです。「壊したらどうしよう」とプレッシャーを感じて、一歩を踏み出せない学生もいました。そこで、安全な環境で何度でも試せるシミュレーターが必要だと感じました。

Q:ドローン教育の将来像についてはどうお考えですか。
A:2026年度には定員40名に対し約80名の応募があり、ドローンへの関心は確実に高まっています。「空飛ぶクルマの開発に関わりたい」「測量士補に加えてドローンの国家資格も取りたい」といった声もあります。でも大事なのは、資格を取って終わりではなく、「働き続ける間ずっと、その知識やスキル、技術を社会にどう生かすかを考え、実践し続けられる人」を育てること。卒業後も学び直せる環境を含めて、そうした人材を増やしていきたいです。今後は国家資格の更新講習の際に卒業生のリスキリングの機会を作りたいと考えています。

Q:数あるシミュレーターの中から、なぜ”SKY COACH X”を選ばれたのでしょうか。
A:一番の決め手は、「環境パラメータをここまで細かくいじれるシミュレーターは他にない」と感じた点ですね。風向・風速はもちろん、ランダムな風の強さ、太陽光の強さや角度まで、こちらが「こう設定できたらいいな」と思う項目のほとんどが用意されている。類似製品はいろいろ制約が多く、現実の飛行環境とのギャップを感じていました。”SKY COAHC X”は「実運用に近い環境をかなり細かく再現できる」のが大きな強みと思います。

Q:操作感や挙動のリアルさについてはいかがですか。
A:大きな違和感はほとんどありません。むしろ”SKY COACH X”は、少し難しめで、授業で使っている実機の方が安定しているくらいです。まずシミュレーターでシビアな挙動に慣れてから実機を飛ばすと、学生は「これなら自分でも大丈夫だ」と感じやすい。“シミュレーターの中だけの操作”にとどまらず、実機運用にそのままつながる飛行感覚になっています。

Q:開発思想や「作り手の視点」という点ではどう見ていますか。
A:実際にドローンを飛ばしている人が「こういう機能は当然欲しいよね」と思うところがきちんと押さえられている。使っていると、「ああ、これは実運用者の視点で設計されているな」と感じる場面が多いですね。開発者の方が国家資格を取得しドローンを飛行させていると伺い、完成度の高さの理由を理解することができました。

Q:教育現場で使ってみて、特に評価しているポイントはどこでしょう。
A:一つは、「安全な環境で何度でも試せる」ことで、これまで「壊しそうで怖い」「自分にできるか不安」と受講をためらっていた学生にも、気軽に体験の場を提供できるようになったことです。もう一つは、授業でアリーナを利用する日数を年間20日から10日にまで減らせる見込みが立ったこと。導入費に対して、設備負荷の低減と、新たな受講希望層の掘り起こしという両面で効果があり、「費用に十分見合う投資」と判断しています。

Q:総合すると、”SKY COACH X”の「強み」は何でしょうか。
A:以下の3点の組み合わせだと思います。だからこそ、「実機訓練への橋渡しとして信頼できるシミュレーター」として採用しました。

  • 環境パラメータを細かく設定できて現実に近い条件を再現できること
  • シミュレーターに終わらず実機運用に直結する飛行感覚であること
  • 実際に飛ばしている人が作ったと分かる、現場目線の設計になっていること

地球環境科学部 准教授 青木和昭様

rissho_05

地球環境科学部 准教授 青木和昭様

博士(情報科学)、修士(工学)、学士(工学)
地球環境科学部 環境システム学科 環境情報処理研究室 准教授
立正大学ドローンアカデミー(修了審査員)

地球環境科学部は、早い段階からドローンを教育に取り入れています。

Q:ドローン導入の経緯について教えてください。
A:きっかけは立正大学が文部科学省から支援を受けた大学教育再生加速プログラムで、ドローンの利活用を推進するプロジェクトでした。当時は国家資格がなく、まず私と松尾先生でドローンメーカーのスペシャリスト民間資格を取得したのが出発点です。その後、機体の購入やキャンパス内でドローンを飛行させる際のルール作り、学内のドローンに関する事項を取り合う全学組織のドローン安全管理委員会の立ち上げを進め、国家資格制度の開始に合わせて教員が一等資格を取得し、本格的なドローンスクール設立(登録講習機関)を目指す体制を整えてきました。

Q:地球環境科学部では、どのようにドローンを活用されていますか。
A:本学部では比較的早い段階からドローンを授業と研究に取り入れてきました。測量の授業では、実際にドローンを飛ばしてドローンによる測量の実習を行い、従来の測量との違いや利便性を学生に体験してもらっています。近年は、環境調査やフィールド調査にも活用を広げており、短時間で広範囲を調査できる点が大きな利点です。

Q:研究面での具体的な活用例を教えてください。
A:マルチスペクトルセンサーやサーマルセンサーを搭載したドローンを用いて、環境調査や動物調査を行っています。例えば、北海道や埼玉県でクマの生息調査を行い、上空からサーマルカメラで位置を把握する取り組みを進めています。また、農業分野では、小麦や稲の収量予測にドローン画像と衛星画像を組み合わせて活用するなど、データサイエンスと連携した研究も展開しています。

データサイエンス学部 助手 宍戸隆史様

rissho_06

データサイエンス学部 助手 宍戸隆史様

修士(地理学)
データサイエンス学部 データサイエンス学科 助手
立正大学ドローンアカデミー(修了審査員)

開発者自らドローンの国家資格を取る姿に真剣さを感じました。

Q:”SKY COACH X”を実際に使ってみて、どこに一番の強みを感じますか。
A:やっぱり「実際に自分で操縦した経験がある人が作っているんだな」というのが、使っていてすごくよく分かるところですね。必要な設定値がきちんと揃っていて、こちらが現場で「こう調整したい」と思う項目が一通り用意されている。

Q:実機との違和感についてはいかがでしょうか。
A:実際に飛ばしたときと近い条件を、自分でカスタムして再現できるので、実機だけで訓練していた私たちでも、違和感なくスムーズにシミュレーターに移行できました。逆に、実機とシミュレーターの間に変なギャップがあると、どうしても受け入れにくくなってしまうと思うんです。

Q:その点で”SKY COACH X”はどう評価されていますか。
A:ドローンの機体が新しい・古いといった世代の問題ではなく、「そもそもの違和感が少ない」ことが大事だと思っていますが、その意味で”SKY COACH X”は強みがはっきりしていると感じます。現場感覚を持った開発者が、実機に近い飛行条件と操作感をきちんと作り込んでいる――それが、このシミュレーターの一番の特徴ですね。

インタビューを終えて

立正大学の学長方針として、「大学で勉強して終わりではなく、卒業してからも自分で学び続けられる学生を育てたい」「必要であればまた大学に戻って学べる環境をつくりたい」と繰り返し語られています。「資格を取って、それをどう社会に生かすかを、働き続ける間ずっと考え実践できる学生」を育てることが重要であり、「単発の資格講座」で終わらせず、
     - 在学生の専門教育との接続   
     - 卒業生のリスキリングや社会人教育との接続 
を見据えたカリキュラム設計や仕組み作りを大事にされていることがわかりました。

こうした学びの循環を見据えた取り組みの一環として、ドローンシミュレーター「SKY COACH X」を採用いただきました。当社としても、機器をお納めして完了とするのではなく、授業や研修での活用状況を伺いながら、使いやすさやトレーニング内容の改善を続けていきたいと考えています。

今後も立正大学様とともに、ドローン教育の質の向上と、社会で学び続ける人材育成への貢献を目指してまいります。

導入製品・システム

お問い合わせ

Webフォームからのお問い合わせ

お問い合わせはこちらContact