日本無線株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:小洗 健 以下JRC)は、ベトナム・フーコック国際空港において空港面監視用マルチラテレーションシステムの実証実験を実施し、世界標準(EUROCAE ED-117A)※1を上回る測位性能を実現しました。
本実証実験は、2018年に総務省の「空港面監視用マルチラテレーションシステムの海外展開を通じた周波数の国際協調利用促進に関する調査研究の請負」をJRCが受託し、ベトナム航空交通管理公社(Vietnam Air Traffic Management Corporation 以下VATM)と空港面監視用マルチラテレーションシステムの実証実験と技術協力に関する合意文書締結のもと、2021年3月から実施しているものです。
マルチラテレーションシステムは、航空機から発せられる二次レーダー(SSR)信号を空港内の複数の受信機で受信し、その受信時間差をもとに正確な航空機の位置を検出するシステムです。夜間・悪天候時など、管制塔からの視界が悪い状況でも航空機の位置を正確に把握することができ、安全かつ効率的な航空管制を行う事ができます。
当社のシステムはRoF(Radio over Fiber)技術を利用することで、マルチパス※2環境下でも高精度の位置検出を可能としました。
性能評価は、共同開発を行った国立研究開発法人電子航法研究所殿(東京都調布市)と合同で実施し、世界標準(EUROCAE ED-117A)の測位精度(誤差 12 m以内)を大きく上回る性能であることを実証しました。
誤差 3.0 m以内。
マルチパス状況下でも誤差 7.5 m以内の測位精度を実現。
受信機が1台使用できない状況においても誤差 7.5 m以内の測位精度を実現。
今後は、運用評価を経てベトナム航空交通管理公社へ引き渡された後、正式運用が開始される予定です。
注)内容はリリース時現在のものです