日本無線株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:小洗 健)は、マルチGNSSに対応することで高精度・高安定性の方位計測を実現したGNSSコンパス「JLR-41」を2025年1月から発売します。
GNSSコンパスは、GNSS衛星の搬送波※1を利用し、アンテナ間の搬送波位相差を計測することで、船舶の船首方位を決定する装置です。JLR-41はマルチGNSS※2に対応し、計測に使用する衛星が増加することで、高精度・高安定性の方位計測を実現しています。また、近年、航行を妨害する行為として問題になっているスプーフィング※3やジャミング※4に対する検出機能を搭載し、より安全な航行に貢献します。
マルチGNSS対応の新設計センサー
新設計のセンサーは、GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、QZSSのデータを同時受信することで、ビーコンやSBASに頼らない高精度測位を実現し方位計測性能を向上させました。
また、当社従来機種の小型船向け「JLR-21」センサーと同等サイズでありながら、商船向け「JLR-31」相当の高精度な方位性能(0.25°以内)を実現しています。
スプーフィング/ジャミング検出機能搭載※5
JLR-41は船舶の安全な航行を阻害する電波などを検出する2つの機能を搭載しています。検出すると、ポップアップ、アイコン、ブザーで船員へ通知します。
スプーフィング検出機能
スプーフィングによる正しくない方位/位置の出力を防止します。スプーフィングを検出すると、センサーはスプーフィングを受けた衛星を除外し、残った衛星で正しい位置/方位の再計算を行い出力します。ただし、衛星数が不足する場合は、非測位/方位欠測となります。
ジャミング検出機能
ジャミングを受けると衛星を受信できなくなり、非測位/方位欠測の状態となります。ジャミング検出機能を搭載することで、ジャミングの影響が小さい(受信を継続できる)場合は、別帯域の衛星信号による測位/方位を出力し航行の継続を支援します。
ヒービング、ローリング、ピッチング、ROT※6計測に対応
ヒービング計測では、波やうねり等による船舶の垂直方向の変位量を相対的に計測します。
ローリング・ピッチング計測では、船体の横揺れや前後の揺れを計測します。
動揺補正機能を搭載した魚群探知機等に計測データを入力することで、魚群や海底形状の検出精度が向上します。
旋回率(ROT)は最大追従角速度45°/秒で、高速旋回時においても、安定した追従が可能です。
船首方位伝達装置(THD※7)検定および衛星航法装置(GPS)検定に対応(2025年6月取得予定)
THDおよびGPSとしてIMO性能基準に準拠しています。SOLAS-Vの搭載要件を満たすTHDまたはGPSとして装備可能です。
6.5インチ高輝度カラータッチパネル液晶による優れた視認性・操作性を実現
6.5インチカラー液晶搭載による視認性の向上と、タッチパネルによる直感的な操作性により、快適な操船環境を提供します。
製品情報
GNSSコンパス JLR-41
注)内容はリリース時現在のものです