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2010年6月17日 [2010年6月17日 プレスリリース]

世界最薄の超薄型衛星通信用アクティブフェーズドアレーアンテナを開発

日本無線株式会社 (本社:東京都杉並区、代表取締役社長:諏訪頼久、以下JRC日本無線) は、宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部(以下JAXA)、京都大学 生存圏研究所、及び東京大学 生産技術研究所との共同研究により、世界最薄 高さ5cmの超薄型衛星通信用アクティブフェーズドアレーアンテナを開発し、擬似衛星装置を用いた実証実験に成功しました。

画像:MEMS移相器、サブアレー、アクティブフェーズドアレーアンテナ

アクティブフェーズドアレーアンテナは、平面上の多数の小さな素子アンテナから構成され、素子アンテナ毎に位相を変化さる移相器と増幅器を備え電子的にビーム方向を変えることが可能なアンテナです。すでに実用化された製品もありますが、構造が厚く複雑という欠点がありました。本研究では移相器に用いるMEMS(注1)スイッチは東京大学、4つのMEMSスイッチをLTCC(注2)基板に搭載した4ビット移相器およびMMIC(注3)増幅器は京都大学、能動回路素子を半減する間引き給電を用いた低姿勢ダイポールアンテナはJAXAがそれぞれ開発し、JRC日本無線がサブアレー構成法を提案し、アクティブフェーズドアレーアンテナの実装を担当して、薄型化を実現しました。

サブアレーは電波の向き(偏波)が直交する8個の素子アンテナを持つ菱形形状の16素子配列アンテナで、それぞれの偏波に対する素子アンテナの振幅比を制御することにより偏波面を任意方向に向けることが出来ます。サブアレー構成法とは、3種類のサブアレーを組合せることにより限りなく大きなサイズまで拡張できる配列方法です。これにより、間引き給電によって発生するグレーティングローブと呼ばれるサイドローブの抑圧が可能となり、試作したKu帯243素子アクティブフェーズドアレーアンテナは世界最薄の高さ5cmの薄型化を実現できました。

尚、本成果は2010年3月にリスボンで行われた国際会議「2010 International Workshop on Antenna Technology:(略称: iWAT)」に発表(注4)され、Best Paper Prizeを受賞しました。

現在、車両、船舶、及び航空機に搭載し衛星を追尾する様々な移動体衛星通信装置が開発されています。その中で、回転機構部を必要としないで電子的に追尾できるアクティブフェーズドアレーアンテナを超薄型化した本研究の成果は、今後の移動体衛星通信装置の普及に大いに貢献するものと期待されます。

この研究は総務省の「電波資源拡大のための研究開発」の委託研究 "高マイクロ波帯用アンテナ技術の高度化技術の研究開発"(プロジェクトリーダ 高野忠JAXA名誉教授)として行ったもので、研究の詳細は、2010年6月24日に開催される「電波資源拡大のための研究開発」第3回成果発表会にて発表いたします。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban09_02000041.html

  1. MEMS(Micro-Electro-Mechanical System):微小電気機械素子
  2. LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic):低温焼成セラミック
  3. MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuits):モノリシックマイクロ波集積回路
  4. Tamotsu Suda, et al. "A Large Number of Phased Array Antenna with Low Grating Lobes Using Partially Driven Technique, "2010 International Workshop on Antenna Technology (iWAT), PS1-20, 2010.

お問い合わせ先

(報道機関)

日本無線株式会社
経営企画室 広報担当
TEL: 0422-45-9774 FAX: 0422-45-9553

(その他)

日本無線株式会社
研究開発本部
E-Mail: pr@jrc.co.jp

  1. 内容はリリース時現在のものです