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2005年3月25日 [2005.3.24 プレスリリース]

日清紡績株式会社・日本無線株式会社 共同発表
新型電気二重層キャパシター開発
世界最高レベルのパワー・エネルギー密度を達成
均等充放電回路によりモジュールの大容量化蓄電、長寿命化を実現

日清紡と日本無線は、それぞれの独自技術であるイオン液体「DEME(デメ)」を使用したキャパシター・セルと均等充放電回路を融合し、パワー密度とエネルギー密度を世界最高レベルで両立させた大型の電気二重層キャパシター「N's CAP(エヌズ キャップ)」を開発した。今後は2005年9月の量産化へ向けて準備を進める。

この新型キャパシター「N's CAP」は、下記のような用途をはじめ、高出力・大容量が求められる自動車・産業機械などの分野において、お客様のご期待にお応えいたします。

● ハイブリッド自動車や燃料電池自動車の電源として

● 産業機械におけるモータの駆動/エネルギー回生時の電源として

● 中・大型のUPS(無停電電源装置)用電源として

キャパシター・セル

世界に先駆けてキャパシター用イオン液体の開発に成功した日清紡が、「DEME」を電解質に使用し、今回新たに活性炭などの電極材料と電極構造の最適化を行うことで、キャパシター・セルの定格電圧を従来の2.5Vから3Vへアップさせる一方、内部抵抗を低く抑えることができました。しかも従来の特長通り、マイナス30度の低温環境下においても大電流で充放電が可能です。

定格電圧の向上と低内部抵抗化により、パワー密度:10.8kW/L、エネルギー密度:10.7Wh/Lという、大型の電気二重層キャパシターとしては世界最高レベル値を両立させることに成功しました。高パワー密度の実現により、大電流での充放電が可能となり、数百万回に及ぶ高いサイクル充放電性能を実現しました。

キャパシター・モジュール

キャパシター・モジュールにおいては、充放電により発生する各キャパシター間の電圧のばらつきにより、電圧の高いセルの劣化が進むという特性があります。

新型15Vキャパシター・モジュールでは、このばらつきを日本無線独自方式の制御回路により、高速・高精度に均等化しています。この回路はばらつきが発生した時のみ動作し、ばらつき電圧の高いキャパシターから低いキャパシターへ補充電する画期的な方式で、電圧のばらつきを常に±1%以下に抑えています。この技術により大容量蓄電、長寿命化を実現しています。

新開発のモジュールに、各モジュールの電圧を均等化する端子を設けましたので、モジュールの直列接続が簡便にできます。モジュールを直列接続することにより、お客様の用途に合わせて30V、60Vなど最大600Vまでの高電圧化が容易となり、幅広くお使いいただけます。

また、モジュールのケースにポリプロピレン樹脂を用いて安全性を高め、従来品の1/2に小型化して量産に適したパッケージとしました。防水・耐振構造ですので、厳しい環境下においてもお使いいただけます。

供給について

2005年9月に量産を開始する計画で、新型キャパシター・セルは月産1万個規模の生産を予定しています。新型キャパシター・モジュールは、6月よりサンプル出荷を行います。

現在、100V、200Vとさらに高電圧のモジュールも開発中で、開発完了次第サンプル供給を開始する予定です。

新型電気二重層キャパシターの概要

『定格電圧3Vの電気二重層キャパシター・セル』

静電容量
1000F
定格電圧
3.0V
内部抵抗値
0.8mΩ
エネルギー密度
10.7Wh/L
パワー密度
10.8kW/L

『定格電圧15Vの電気二重層キャパシター モジュール』

静電容量
200F
最大許容電流
600A
内部抵抗値
5.5mΩ
エネルギー容量
6.8Wh
サイズ
1.4L(W:155mm×D:66mm×H:154mm)
画像:定格電圧3Vの電気二重層キャパシター・セル

定格電圧3Vの電気二重層キャパシター・セル

画像:定格電圧15Vの電気二重層キャパシター・モジュール

定格電圧15Vの電気二重層キャパシター・モジュール

用語の解説

電気二重層キャパシター

電気を貯蔵できる蓄電デバイスの一種で、カーボン(炭素)を主成分とする電極とイオンを含む電解質から構成されています。電気エネルギーは、炭素電極の表面に形成されるイオンの吸着層(電気二重層)に蓄えられます。充電池と違い、短時間に大電流での充放電が可能で、充電・放電を繰り返しても性能の劣化が極めて少なく、半永久的に使用が可能な電源です。

イオン液体:DEME

プラスイオンとマイナスイオンのみで構成された化合物を『塩』と呼びます。ほとんどの塩は、食塩のように室温で固体です。しかし、10年ほど前に室温で液体の塩が見出され、イオン液体と呼ばれるようになりました。イオン液体は、高い導電性を持ち、高温にしても蒸発しない特徴があり、極めて引火しにくい安全な物質です。イオン液体は、電池用電解質、有機溶媒の代替など、環境に優しい"グリーンケミストリー溶媒"としての利用が期待されています。

DEME[Diethyl-methyl-(2-methoxyethyl)ammonium]は、独自開発の脂肪族系四級アンモニウム塩からなるイオン液体で、従来のイオン液体と比べて、極めて広い電位窓を有するのが特長です。

均等充放電制御回路

複数のセルを直列接続して充放電を繰り返すと、各セルの静電容量や内部抵抗のバラつきにより各セルの電圧にバラつき(アンバランス電圧)が発生し、セルに過大電圧、極性反転が生じ急激にセルが劣化する可能性があります。セルの劣化を押えてフルに充放電するにはアンバランス電圧を押える均等化回路が必要です。考案した均等充放電制御回路は、複数セルの平均電圧より高い電圧のセルから低い電圧のセルに補充電し逐次平均化する方式で、従来の方式より高精度、高速で均等化ができるので大電流でフルに充放電できる特長があります。

お問い合わせ先

当製品に関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

日本無線株式会社
Cプロジェクト室
TEL.:0422-45-9965

日清紡績株式会社
研究開発本部 蓄電デバイスグループ
TEL.:043-205-0792
info-cap@nisshinbo.co.jp

本プレスリリースに関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

日本無線株式会社
総務部 広報課
TEL.:03-3348-3604

日清紡績株式会社
研究開発本部 蓄電デバイスグループ
TEL.:043-205-0792

  1. 内容はリリース時現在のものです