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2004年4月21日 [2004.4.21 プレスリリース]

日清紡績株式会社・日本無線株式会社 共同発表
大容量・高出力な電気二重層キャパシターモジュールの共同開発について

 日清紡績株式会社(社長:指田禎一 以下、日清紡)と日本無線株式会社(社長:牟田忠弘 以下、日本無線)は、大容量・高出力な電気二重層キャパシターモジュールを共同開発することで合意しました。

日清紡が世界に先駆けて開発に成功したイオン性液体を用いた電気二重層キャパシター技術と、日本無線が独自に開発した均等充放電制御回路技術を融合することにより、大容量・高出力な電気二重層キャパシターモジュールを共同開発してまいります。

電気二重層キャパシターは、電気エネルギーを化学エネルギーに変換することなく直接貯蔵する蓄電デバイスです。大電流で超急速の充放電が可能なうえに長寿命であることから、二次電池に代わる蓄電デバイスとして、各方面から注目を浴びています。特に、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車の電源や、無停電電源(UPS)などへの応用が期待されています。実用化に向けての技術的課題は大容量化と高出力化です。

日清紡は、高いイオン導電性に加えて優れた電気化学的安定性を有する新しいイオン性液体を開発すると共に、これを電解質に用いた電気二重層キャパシターを開発しました。従来の電気二重層キャパシターは電解質に固体アンモニューム塩を使用し、塩を溶解するために多量の有機溶媒が必要でした。固体アンモニューム塩は、低温下で溶解度とイオンの移動度が低下するので、キャパシターとしての充放電性能が低下します。固体アンモニューム塩の代わりに新たに開発したイオン性液体を用いることにより、大電流の充放電性能を低温時(-40度C)にも確保できる電気二重層キャパシターの実現が可能となりました。

電気二重層キャパシターは単一のセルの定格電圧が 2.5~3.0V 程度であるため、大容量・高出力化するには、複数のセルを直列接続しモジュール化することが必要となります。直列接続に伴い、充放電時に発生する各セル間のアンバランス電圧を高速かつ高精度に均等化するための制御回路が不可欠となります。

日本無線は、長年培ってきた高効率・高精度の無線機電源回路技術をベースに、複数のセルを直列接続する場合の充放電時に発生する各セル間のアンバランス電圧を、高速かつ高精度に均等化するための制御回路を独自に考案し、安定に動作することを確認しました。この均等充放電制御回路技術を適用することにより、従来技術では困難であった大容量で高出力な電気二重層キャパシターモジュールが実現できることとなります。

今回共同開発する電気二重層キャパシターモジュールは省エネルギー性という面でも優れており、両社は、このモジュールの共同開発を通して地球環境の改善に貢献できる新しいエネルギー貯蔵システムの実現に努力してまいります。

今後、ハイブリッド自動車の本格市場拡大、燃料電池車の実用化が予測され2010年頃のキャパシターの市場規模は800億円程度見込まれています。現在、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車用、無停電電源(UPS)用、ソーラーや風力発電用などのキャパシターモジュールを開発中です。

先ず、これらのモジュールのサンプル提供をスタートし、2005年から蓄電デバイス事業を展開する予定です。

画像:15V 電気二重層キャパシターモジュール

15V 電気二重層キャパシターモジュール

画像:100V 電気二重層キャパシターモジュール

100V 電気二重層キャパシターモジュール

【用語の解説】

電気二重層キャパシター

電気を貯蔵できる蓄電デバイスの一種で、カーボン(炭素)を主成分とする電極とイオンを含む電解質から構成されています。電気エネルギーは、炭素電極の表面に形成されるイオンの吸着層(電気二重層)に蓄えられます。充電池と違い、短時間に大電流での充放電が可能で、充電・放電を繰り返しても性能の劣化が極めて少なく、半永久的に使用が可能な電源です。

イオン性液体

プラスイオンとマイナスイオンのみで構成された化合物を『塩』と呼びます。ほとんどの塩は、食塩のように室温で固体です。しかし、10年ほど前に室温で液体の塩が見出され、イオン性液体と呼ばれるようになりました。イオン性液体は、高い導電性を持ち、高温にしても蒸発しない特徴があり、極めて引火しにくい安全な物質です。イオン性液体は、電池用電解質、有機溶媒の代替など、環境に優しい"グリーンケミストリー溶媒"としての利用が期待されています。

均等充放電制御回路

複数のセルを直列接続して充放電を繰り返すと、各セルの静電容量や内部抵抗のバラつきにより各セルの電圧にバラつき(アンバランス電圧)が発生し、セルに過大電圧、極性反転が生じ急激にセルが劣化する可能性があります。セルの劣化を押えてフルに充放電するにはアンバランス電圧を押える均等化回路が必要です。考案した均等充放電制御回路は、複数セルの平均電圧より高い電圧のセルから低い電圧のセルに補充電し逐次平均化する方式で、従来の方式より高精度、高速で均等化ができるので大電流でフルに充放電できる特長があります。

お問い合わせ先

当製品に関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

日清紡績株式会社
研究開発本部 蓄電デバイスグループ
TEL.:043-205-0792

日本無線株式会社研究開発部
TEL.:0422-45-9965
Cプロジェクト室
TEL.:0422-45-9965

本プレスリリースに関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

日清紡績株式会社
研究開発本部 蓄電デバイスグループ
TEL.:043-205-0792

日本無線株式会社
総務部 広報課
TEL.:03-3348-3604

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