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2003年3月27日 [2003.3.26 プレスリリース]

日本無線(株)、米国TeraRecon社と共同で次世代産業用3次元CT装置を開発・事業化

 日本無線株式会社(代表取締役社長:牟田 忠弘、本社:新宿区)は、米国TeraRecon(テラリコン)社(社長:齊藤元章、本社:米国カリフォルニア州)に資本参加して、次世代産業用3次元CT装置の共同開発を進めてきておりましたが、この度、開発を完了して事業化を行うこととなりましたので、ここにお知らせします。

内容は、

1.日本無線は昨年、米国TeraRecon社の第三者割り当て増資165万ドル分を引き受けて資本参加し、別途、米国TeraRecon社と次世代産業用3次元CT装置開発に関する大型の共同開発契約を締結した。

2.日本無線と米国TeraRecon社は、上記共同開発契約に基づく開発を本年3月までに完了し、世界初となる本格的な次世代産業用3次元CT装置を完成させた。

3.日本無線は、高密度実装基板検査や電子部品検査を対象とした次世代産業用3次元CTを新規重要事業の一つとし、本年9月より製品を販売開始する。

というものです。

<背景>

 近年、電子部品の小型化と基板実装の高密度化、多層化、微細化は急激に進展してきており、その傾向は今後も続くことが予想されています。このような状況下で、製品不良や実装不良を非破壊で発見し詳細に解析することは、研究開発と品質管理の双方においてより重大な課題となっています。こうした用途には、これまでもX線を用いた産業用透視装置や、産業用2次元CT装置が用いられてきましたが、画質と空間分解能が十分でない、3次元的な情報が得られない、CT撮影とCT処理に長時間を要する、適切で高速な表示・解析系が統合されていない、ネットワーク処理に対応していない、本格的なシステムの価格が高い、などの理由により、その適応は非常に限られたものでありました。

 一方、これらの多くの問題を解決する方法として、1回転のCT撮影で一挙に3次元ボリューム・データを取得することが可能な3次元CT装置というものがありますが、処理するデータ量が膨大でより長時間の処理時間が必要となり、製品価格も大幅に上昇することから、これまでは一部の医療用装置を除いては研究所レベルでの実用化に留まっていました。産業用CT装置については、2次元CT装置として開発された製品に付加された機能を別にすると、専用の本格的な産業用3次元CT装置として開発されたことはありませんでした。こうした状況にあって、本格的な産業用3次元CT装置の開発が永く待たれており、また3次元CT装置ならではの豊富な次世代機能を搭載し、現行の2次元CT装置と同等程度の価格を実現することが切望されていました。

<製品概要>

 今回開発・製品化される次世代産業用3次元CT装置は、基本設計から3次元CT装置として開発されたもので、特に量産向けの産業用CT装置としては世界で初めて、高い位置精度を有するフラットパネル・ディテクタ(平面検出器)とコーンビームX線を採用して圧倒的な画質と空間分解能を実現しています。1回転のみの短時間のCT撮影によって、高密度実装の多層基板では微細配線パターンが各層で明瞭に描出されるほか、スルーホールの内部構造や、スルーホール間の接合形態の詳細も3次元的に初めて描出が可能となっています(添付画像参照)。近年高密度実装で多用されるBGA (Ball Grid Array)、CSP (Chip Size Package)、MCM (Multi Chip Module)等の検査には、超高速で3次元画像情報が取得でき、任意方向でのリアルタイム断面表示が可能である本装置が圧倒的な威力を発揮します。

 これらは、装置に完全に統合化された専用3次元CT再構成エンジンと、リアルタイム3次元ボリューム・レンダリングエンジンによる超高速3次元処理・表示・解析系により、撮影開始後5分以内(従来20分から1時間)に全てが可能となり、更に後発の高級機では3次元CT再構成処理が1分以内、全ての撮影プロセスが3分以内にまで高速化されます。また全ての処理系が高次に統合化されており、また3次元CT装置機能に特化しているために、これまでに例を見ない、優れた操作性と簡易な運用性が実現されています。

 オプション機能として、世界初となるネットワークCT機能と3次元処理・表示・解析に関するプロセッシング・サーバー機能が提供され、本産業用3次元CT装置から離れた場所から、ネットワーク経由で複数の通常PC端末からCT装置内のデータを自由に扱い、撮影結果を共有し、また任意にリアルタイム処理・表示・解析を行うことも可能としています。大きな製造施設内や研究所内において、1箇所のCT装置とその膨大な撮影結果を、施設内の全ての技術者や研究者が、極めて効率的に利用することが可能となります。

画像:撮影例

<ねらい>

 今回の資本参加と共同開発により、米国TeraRecon社が有する独自開発による高速プロセッサ、3次元CT関連技術、ネットワークCT技術、3次元リアルタイム表示技術、プロセッシング・サーバー技術、超高解像度ディスプレイ技術などを一挙に有効活用して、次世代産業用3次元CT装置を極めて短期間に製品化することを可能としました。今後の大きな成長が見込まれる産業用CT分野は、高度な技術要求によって高い参入障壁がありましたが、両社が共同でここに圧倒的な優位性を持つ次世代3次元CT装置を投入することによって、既存の市場のみならず大きな新規需要を喚起することが期待されます。日本無線は、産業用CT装置事業を、付加価値と収益性の高い新規重要事業として捉え、事業化を強力に推進していくものです。

<展望>

日本無線は、産業用3次元CT装置について普及機、中級機、高級機の3タイプを用意します。普及機でも圧倒的な産業用3次元CT装置のメリットが享受できるものとし、また価格は高級機でも5,000万円以下とします。本年9月からの販売開始を予定しており、初年度合計30台、10億円程度の売上げを見込んでいます。

 米国TeraRecon社は昨年の日本無線他からの資本参加により経営基盤の一層の強化を図り、また今回の大型の共同開発契約により、次世代3次元CT装置関連の研究開発を加速化させています。TeraRecon社は今後、技術及び製品ラインの更なる競争力向上を行いながら、本来の事業基盤である医療情報市場と、その他の特定最先端技術市場において、特に大容量データ処理、3次元・4次元データ処理、プロセッシング・サーバー技術に関するデファクト・スタンダードの確立と、TeraRecon社が有する広範な技術の活用を進めて参ります。

〔TeraRecon社 概要〕 東京大学医学部付属病院の放射線科医師であった齊藤元章が、米国シリコンバレーに1997年に設立した医療系研究開発法人です。独自のプロセッサ技術(HISC)を核として、その医療用高速プロセッサ開発から、各種ボード類、並列処理システム、ワークステーション、プロセッシング・サーバー、超高解像度ディスプレイシステムに至る、全ての基幹技術を自社開発しています。これまでにない全く新しい性能と機能を有した医療機器、システムの研究開発を行い、医療分野に次世代ソリューションを提供する研究開発グループです。(社員数110名、2002年売上げ25億円、2003年売上げ予測、約55億円。)

お問い合わせ先

当製品に関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

日本無線株式会社
総務部 広報課
TEL.:03-3348-3604
E-Mail: pr@m1.jrc.co.jp

TeraRecon社
日本支店 経営企画室
TEL.:03-5730-6240
E-Mail: info@terarecon.co.jp

  1. 内容はリリース時現在のものです